大子校
大子・南・西・生瀬中中間対策
10月16日(日) 15:30-18:00
参加者は前日までにメール、または待合室の名簿に記名してください。
大子校
大子・南・西・生瀬中中間対策
10月16日(日) 15:30-18:00
参加者は前日までにメール、または待合室の名簿に記名してください。
「恥の多い生涯を送って来ました」。そんな身もふたもない告白から男の手記は始まる。男は自分を偽り、ひとを欺き、取り返しようのない過ちを犯し、「失格」の判定を自らにくだす。でも、男が不在になると、彼を懐かしんで、ある女性は語るのだ。「とても素直で、よく気がきいて(中略)神様みたいないい子でした」と。ひとがひととして、ひとと生きる意味を問う、太宰治、捨て身の問題作。 Amazon 内容紹介より
太宰治
1909‐1948。本名・津島修治。青森県北津軽郡金木村(現・青森県五所川原市)の地主の子として生まれる。1930(昭和5)年、東京帝国大学(東京大学)仏文科に入学、井伏鱒二に師事、小説家を志す。1933(昭和8)年、同人誌「海豹」に発表した『魚服記』、『思ひ出』という作品で注目され、戦後は人気作家として多くの作品を精力的に発表した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)BOOK著者紹介情報より
マイアイドル太宰治。
中でも人間失格は10回は読んでると思います。
ですが、寂しいことに最後に読んだのはおそらく10年以上前。
夏期講習の合間、不惑にして読む「人間失格」。
新たな発見に満ちていました。
ご存知の方も多いと思いますが、自殺未遂、薬物中毒など自身の体験を下敷きに書いたのが人間失格。
「負」、「破滅」へ向かうの求心力はすさまじいものがあります。
だから、どうしても葉蔵中心、退廃のヒロイズムにあこがれて、自らを重ね合わせてしまうのが、一般的な読み方。
また、一説には10代で卒業する(しなければならない)といわれる太宰治。
その理由は、極端な自意識過剰と自己愛です。
そこを文学まで高め、私小説を完成させたのが一番の功績かと思いますが、
でも、
機会があれば改めて紹介しますが、日本文学において並ぶもののない技巧派の面、また案外ポジティブな面も太宰治は持ち合わせています。
技巧派の太宰でもっとも有名なのは「斜陽」の冒頭
朝、食堂でスウプを一さじ、すっと吸ってお母さまが、
「あ」
と幽かな叫び声をお挙げになった。
「髪の毛?」
スウプに何か、イヤなものでも入っていたのかしら、と思った。
「いいえ」
お母さまは、何事も無かったように、またひらりと一さじ、スウプをお口に流し込み、すましてお顔を横に向け、お勝手の窓の、満開の山桜に視線を送り、そうしてお顔を横に向けたまま、またひらりと一さじ、スウプを小さなお唇のあいだに滑り込ませた。
これほど完璧な冒頭部分は読んだことがありません。
「あ」の一言で、
喪失感、取り返しのつかない後悔、底知れぬ不安を読者に掻き立てます。
そして、「スウプ」、「ひらり」の単語の使い方が見事。
初めて読んだときは、小説、言葉にはこんな力があったのかと衝撃を受けました。
ポジティブな太宰の代表は「パンドラの匣」のラスト。
私は何にも知りません。しかし、伸びる方向に陽の当たるようです。
太宰版青春小説と読んでもいいくらいさわやかな作風、「人間失格」と同じ人物が書いたとは思えない落差がそこにはあります。
ちょっと暗そうで嫌、という生徒は「パンドラの匣(はこ)」を一冊目に持ってくるのもいいかもしれません。
そして、「人間失格」の冒頭。
私は、その男の写真を三葉、見たことがある。
一葉は、その男の、幼年時代、とでも言うべきであろうか、十歳前後かと推定される頃の写真であって、その子供が大勢の女のひとに取りかこまれ、(それは、その子供の姉たち、妹たち、それから、従姉妹たちかと想像される)庭園の池のほとりに、荒い縞の袴をはいて立ち、首を三十度ほど左に傾け、醜く笑っている写真である。醜く? けれども、鈍い人たち(つまり、美醜などに関心を持たぬ人たち)は、面白くも何とも無いような顔をして、
「可愛い坊ちゃんですね」
といい加減なお世辞を言っても、まんざら空お世辞に聞えないくらいの、謂わば通俗の「可愛らしさ」みたいな影もその子供の笑顔に無いわけではないのだが、しかし、いささかでも、美醜に就いての訓練を経て来たひとなら、ひとめ見てすぐ、
「なんて、いやな子供だ」
と頗る不快そうに呟き、毛虫でも払いのける時のような手つきで、その写真をほうり投げるかも知れない。
「ただ一切は過ぎていきます」の有名なラストより、「人間失格」のエッセンスはこの冒頭部分に集約されているかもしれません。
そして、再読した「人間失格」は、意外なほどユーモアがちりばめられていることに驚きました。
ユーモアの天才と言われる太宰治、
こと人間失格に関してはユーモアを封印、遺書として書いたというのが定説ですが、
お道化のくだり、歩道橋のくだり、女性関係のくだり、堀木のくだり、
極めつけはラストのヘノモチンなどなど、
シリアスな場面になればなるほど、必ずクスリとさせるユーモアがあるのです。
ユーモアとペシミズム(悲観主義)は紙一重。
つまり、作中で言うならシノニム(同義語)。
ユーモアと絶望感の同居、
この独特の感覚が今も若い読者をひきつける理由なのでしょう。
また、太宰=葉蔵は退廃的と言われますが、葉蔵はたぐいまれな純粋さを持ち合わせています。
葉蔵が人間を信じられないのは、人間の純粋さを信じては裏切られるからです。
いや、裏切られてもなお信じてしまう、信じない自らを罰する人生が葉蔵なのです。
そして、
本心を隠して本当のことを言わない、自分を棚に上げて他人を見下す、エライ人の前では平気で仮面をかぶる等々、
「人間として当たり前とされる」営みにうまく加われない。
いろいろ努力してきたが、やはり無理だ。
「人間生活」がやっていけない葉蔵はついに「人間失格」となるわけです。
もっと言えば、
戦後、激動の変化を遂げる、手のひらを返したような態度をとる人間たちが「人間」だとするなら、太宰治は「人間失格」で構わないということです。
太宰治的な自意識を「中二病」というのならそうなのかもしれませんが、私は「中二」の側に立ちたいと思います。
自意識万歳、中高生の皆さんは、ぜひ葉蔵の世界にどっぷり使ってください(先日も中二の生徒が読んでましたね)。
そして、「斜陽」や「ヴィヨンの妻」など抑制のとれた作品にも触れてください。
ですが、もうひとつ、
不惑を過ぎたものとしての「人間失格」について。
葉蔵、太宰への全面的な共感を未だに感じるものがいれば、それこそ欺瞞です。
永遠に葉蔵でありたいと思っていても、いつしか葉蔵ではいられなくなっていきます。
中2病だった子供たちも、人生を続ける以上、程度の差こそあれ、やはりいつか、どこかで大人になっていきます。
つまり、作中の父やヒラメにならずとも、葉蔵側でなく、堀木の側に自分が立っていると自覚すべきなのではないでしょうか。
これまで読んできてあまり気に留めなかった一節が今回の再再読で突き刺さりました。
葉蔵が、堀木に向けた、言葉にできなかった言葉です。
「世間というのは、君じゃないか」
という言葉が、舌の先まで出かかって、堀木を怒らせるのがイヤで、ひっこめました。
(それは世間が、ゆるさない)
(世間じゃない。あなたがゆるさないのでしょう?)
(そんな事をすると、世間からひどいめに逢うぞ)
(世間じゃない。あなたでしょう?)
(いまに世間から葬られる)
(世間じゃない。葬るのはあなたでしょう?)
いつの間にか、葉蔵の側から、堀木の側にいた自分(もともと堀木の側にいたのかもしれません)。
「世間というのは、君じゃないか」
太宰治を死に追いやったのは僕やあなたかもしれません。
太宰治の年齢を超えた今、新たに胸に刻んで行こうと思いました。
9月30日(金)の五週目休みを利用して、山方中中間対策を行います(大子教室)。
参加者は前日までにご連絡ください。
また、参加者はKeyテストをかならず持参してください。
toiro常陸大宮校は定員制で行っていますが、
中3生は9月14日までのお申し込み分で定員になっております。
中3生で入塾ご希望の場合は、個別授業でのご受講、またはキャンセル待ちとなります。
また、中1生は残り1名で定員間近になっております。
ご検討中の方はお早めにご連絡ください。
なお、大子校は教室に余裕がありますので、各学年とも随時受付中です。
お気軽にご相談ください。
学び舎大子校
小学生コース、中学生コース、高校個別コース、小中個別コースとも2学期からの生徒を募集しております。
大子校は、小学生お迎え車ご利用のみ定員があります。
・小学生は送り迎え両方実施で便利な月曜日がまだ空いております。
・火曜日は人数に余裕があります。
・金曜日のお迎えサービスは残り1名のみの対応となります。
学び舎toiro常陸大宮校
中1,2,3の5科コース、個別コースを募集しております。
toiro校5科コースは定員制をとっており、各学年8名です。
中1は残り1名
中3は残り2名となっています(9月2日現在)。中3定員となりました。
ご検討中の方はお早めにご連絡ください。
ご入会方法、お問い合わせはこちら。
メールでもお知らせしましたように、22日月曜日は、台風が授業時間帯に直撃する可能性がありましたので臨時休校にいたしました。
振替は以下のようになります。
中3プチ合宿 8月29日(月)
toiro常陸大宮校中1授業 8月30日(火)
その他大子校小学生、個別授業は生徒によって振替日程が異なりますので、メールをご確認ください。
また、23日火曜日は通常通り講習日程を行います。
一学期の期末結果、ほぼそろいました。
中間に比べて上がりにくい期末ですが、たくさんの生徒が点数や順位を上げてきました。
特に校内テストを初めて迎えるtoiro校の生徒や新規入会の生徒、実に9割が結果を出せました。
(※校内テストの過去問をやることは教育的ではありません。学び舎では校内テストの過去問は一切使いません!)
成績が上がるのは生徒はもちろん、私たちもうれしいです。
ですが、全員が上がったわけではありません。
通信でも書きましたが、成績には上がるタイミングがあります。
問題がうまく合わなかった生徒もいるでしょうし、基本を理解するのにもう少し時間がかかる生徒もいるでしょう。
大切なのは目標に向かって努力すること。
努力を続けていれば、どこかで必ず結果が出ます。
今回上がった人も、油断大敵。
次の目標に向け、またがんばりましょう。
各科10点以上、総合5位以上上がった生徒の結果です。
学年、学校名は伏せます。
toiro校結果。
総合順位 43位→34位(9位アップ) 93位→77位(16位アップ)
59位→50位(9位アップ) 24位→17位(7位アップ)
79位→26位(53位アップ) 31位→15位(16位アップ)
国語 56点→80点(24点アップ) 国語 49点→71点(21点アップ)
国語 75点→87点(12点アップ) 英語 40点→81点(41点アップ)
英語 45点→85点(40点アップ) 国語 74点→88点(14点アップ)
数学 71点→91点(20点アップ) 英語 62点→81点(19点アップ)
社会 83点→96点(13点アップ)
大子本校
常陸大宮に比べると学校規模が小さいので、順位はあまり派手には動きません。
総合順位 34位→26位(8位アップ) 12位→6位(6位アップ)
14位→11位(3位アップ) 5位→3位(トップ3入り)
28位→23位(5位アップ)
載せていませんが、生瀬や西、南中では1位順位を上げるだけでも立派です!
社会 56点→76点(20点アップ) 英語 65点→78点(13点アップ)
社会 73点→87点(14点アップ) 理科 66点→80点(14点アップ)
国語 65点→91点(26点アップ) 社会 69点→79点(10点アップ)
国語 66点→77点(11点アップ) 社会 81点→92点(11点アップ)
社会 50点→73点(23点アップ) 社会 74点→93点(19点アップ)
社会 69点→86点(17点アップ) 国語 77点→90点(13点アップ)
社会 80点→98点(18点アップ) 英語 79点→97点(18点アップ)
国語 63点→75点(12点アップ) 社会 67点→88点(21点アップ)
英語 62点→86点(24点アップ) 国語 77点→89点(12点アップ)
理科 79点→91点(12点アップ) 社会 22点→43点(21点アップ)
数学 80点→95点(15点アップ) 社会 82点→98点(16点アップ)
社会 79点→89点(10点アップ) 英語 35点→45点(10点アップ)
数学は前回90オーバーがたくさんいたので10点アップはなかなか厳しかったかも。
範囲の広い期末で社会を伸ばしたのはすごいですね。
ほかにも理数の100点や90オーバーをキープなどたくさんありました。
大子校、toiro校ともに次は8月末の茨統テスト。
大子校小学生は育伸テストもあります。
よく範囲表を確認してしっかり準備して臨みましょう。
私の胸中にはいくつかの川が流れている。幼き日に見た真間川、蕪村の愛した淀川、そして母の実家の前を流れる鏡川だ―。明治維新から大正、昭和初期までを逞しくも慎ましく生きた、自らの祖先。故郷・高知に息づいた人々の暮らしを追憶の筆致で描く。脱藩した母方血族、親族間の確執を恋慕、母が語ったある漢詩人の漂泊…。近代という奔流を、幼き日の情景に重ね合わせた抒情溢れる物語。(BOOKデータベースより)
安岡/章太郎
1920(大正9)年、高知市生れ。慶大在学中に入営、結核を患う。戦後、カリエスを病みながら小説を書き始め、’53(昭和28)年「陰気な愉しみ」「悪い仲間」で芥川賞受賞。弱者の視点から卑近な日常に潜む虚妄を描き、吉行淳之介らと共に「第三の新人」と目された。’59年「海辺の光景」で芸術選奨と野間文芸賞、’81年「流離譚」で日本文学大賞、’91(平成3)年「伯父の墓地」で川端康成賞を受けた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(BOOK著者紹介情報より)
日本文学必読の「海辺の光景(かいへんのこうけい)」の安岡章太郎。
作者80代後半の作が「鏡川」です。
大佛次郎(おさらぎじろう)賞も受賞しているように、自らの血筋をたどる歴史的、ルポ的な性格の強い作品です。
明治期から昭和まで、とっかかりのある人物に焦点を当てながら、近代から現代への移り変わりを描きます。
ですが、
そこは小説家。
ただ歴史上の事実を拾い上げて記録しただけではありません。
ところどころ、
ここは明らかに創作だろうという箇所が。
系譜中、もっとも作者が親近感を覚えたのではないかと思われる西山麓(にしやまふもと)。
漢詩で一部有名だったそうですが、一般の人は普通知りません。
その西山麓ですが、実に魅力的な人物で描かれています。
特に後半は、一つの完結した小説のようになっています。
また、寺田寅彦(とらひこ)が安岡章太郎の親戚だったというのも驚きです。
寺田寅彦は、物理学者としての顔だけでなく、名文家としても有名。
ひょうひょうとして、無駄のない、独特の語り口で面白い文章を書きます。
実は国語のテキストの常連でもあり、学び舎生の皆さんも間接的に読んでいるはずです。
各学年に一度は出てくると思います。
今度、気をつけて読んでみましょう。
ですが、
この鏡川、正直に言って読みにくいです。
安岡章太郎をまだ読んだことがないという人は、
「質屋の女房」、「海辺の光景」から入りましょう。
また、一族の歴史を軸に、幕末の歴史を描いた「流離譚」もあります。
大子校、toiro常陸大宮校とも夏期講習日程が決定しました。
中3受験生はもちろん、小学生から高校生まで。
常陸大宮は中学生のみです。
大子校のオプション講座プチ合宿へも参加できます(送り迎えあり)。
入会前に簡単な面接(顔合わせ)を行います。
入会方法はこちらをご参照ください。
各学校、学年共通です。
6月25日(土) 16:30-19:00
申し込み制です。
前日までに待合室名簿に記名、またはメールでお知らせください。
6月26日(日) 16:00-18:30
全員参加で行います。
欠席者は前日までにメール、または口頭でお知らせください。
※学び舎の校内テスト対策は、各自テスト範囲の別冊テキスト(Keyテスト)を学習する形式です。Keyテストを必ず持参してください。
※時間内にすべての範囲を終わりにすることは難しいですので、自分で進められる教科は各自どんどん進めましょう。欠席の生徒も各自でKeyテストを進めるようにしてください。
※一部の学習塾で見られるような、各中学校の過去問題をやることは一切ありません。