今年は大豊作。
間があきましたが3位は
くるり/The pier
もはや大御所感さえあるくるり。
僕とはほぼ同世代。
程度の差こそあれ、グランジとブリットポップを経過し、90年代のポップ豊穣の時代に成人し、
また、オーディエンスとバンドの違いはありますが、フジロック、サマソニといった文化を作り上げてきました。
グランジ (Grunge) とは、ロック音楽のジャンルのひとつ。「汚れた」、「薄汚い」という意味の形容詞 “grungy” が名詞化した “grunge” が語源。1990年代にアメリカ・シアトルを中心に興った潮流であり、オルタナティヴ・ロックの一つに位置づけられる。ニルヴァーナやパール・ジャム、サウンドガーデンといったバンドがメジャーシーンで成功を収めたことで、ヘヴィメタルが席巻していた当時のアメリカのロックチャートを塗り替え、世界的なブームとなった。
ブリットポップ(Britpop)またはブリットポップ・ムーブメント(Britpop Movement)は、1990年代にロンドンやマンチェスターを中心に発生したイギリスのポピュラー音楽ムーブメントである。ブリティッシュ・インヴェイジョン、グラム・ロック、パンク・ロックなど、イギリスのロック黄金期の影響を受けたバンドが多くデビューし、イギリス音楽界を盛り上げた。
このムーブメントは、ブラー、オアシスを中心に一旦は海外にも広まる兆しを見せ、他のポップカルチャーも巻き込んだ「クール・ブリタニア」などの狂騒を生んだが、ムーブメントの中心人物だったブラーのデーモン・アルバーンによる「ブリットポップは死んだ」と言う発言などによって、1997年 – 1998年頃に一応の終止符が打たれた。
ヘビーな洋楽リスナーにとっても、Jポップリスナーにとっても、くるりは盟友。
嫌いな人はいないんじゃないでしょうか。
そんなくるりの欠点はただひとつ。
自らの青春期の出自をことさらに避けること。
それは常に新しいものを追い求め、同じことは二度とやらないというスタンスなのですが、やはりファンは第二のワンダーフォーゲルを期待してしまうわけです。
ですが、
このThe Pier。
90年代ど真ん中、オマージュにあふれています。
この「振り返り」。くるり史上、初めてです。
まずわかりやすいRemember Me.
もちろん、イントロはオアシスのホワットエヴァー。
知らないよ、という方はこちら。
そして、最大の問題曲。
リバティ&グラヴィティ。
自由と重力。
まさにくるりは今回地面に引き寄せられたわけです。
~最初のリバティ 覚えたグラヴィティ~
自由とはこれまでのくるり。
すさまじい洋楽の吸収力とクレバーさ。
重力とは自分の根っこ。
音楽との出会い以前の音楽や日本的な情緒です。
そして、
よいしょ、どっこいしょ。
今までも登場したことのある歌詞ですが、まだ使いこなせていませんでした。
どこか距離を置いた、スノッブないやらしさを感じてしまう。
でも、このリバティ&グラヴィティでは、見事に曲の中に溶け込んでます。
ヘイ!ベイビー!では決して言い表せない、よいしょ。
複雑なのに、長さは全く感じさせません。
変?この雑食さがまさにくるりであり、日本なのです。
ここで終わりにしようかと思いましたが、最終曲。
There is(always light)
ここまでまっすぐなアルバムの展開があれば、ひとひねりして煙にまくのがくるり。
が、
とんでもない曲を最後に。
鳴り響くファンファーレ。
まさに90年代を思い起こさせるキラキラメロディ。
まだアルバム通して聴いてない人、ぜひ。