読書の町宣言!唐十郎「佐川君からの手紙」

内容(「BOOK」データベースより)

「私の事件を映画化なさるそうですが、主演させてください」―ある日、サンテ刑務所から1通の手紙が舞い込んだ。犯行者との息を呑むような文通のあと、面会を求めて渡ったパリで、数々の奇怪な出来事と遭遇する。虚実の境をわたり、幻想のあやなしにあらがいながら、劇的想像力が照らし出す極限の「愛」―カニバリスム。1981年6月、パリで起った人肉事件の謎に迫る衝撃の話題作。芥川賞受賞。

 

実話をもとにしたこの作品。題材が題材だけに特にこの21世紀の空気の中でこれを読むとちょこちょこ不謹慎に思える箇所が多く出てきます。

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読書の町宣言!今村夏子「こちらあみ子」

先日の芥川賞を受賞した今村夏子。

デビュー作の「こちらあみ子」です。

太宰治賞を取った今作を手に取ったのは半年ほど前。最初の数ページで引き込まれる独特の世界観。「こちらあみ子」は2010年の作。その後の芥川賞受賞も当然の流れです。

内容(「BOOK」データベースより)

あみ子は、少し風変わりな女の子。優しい父、一緒に登下校をしてくれ兄、書道教室の先生でお腹には赤ちゃんがいる母、憧れの同級生のり君。純粋なあみ子の行動が、周囲の人々を否応なしに変えていく過程を少女の無垢な視線で鮮やかに描き、独自の世界を示した、第26回太宰治賞、第24回三島由紀夫賞受賞の異才のデビュー作。書き下ろし短編「チズさん」を収録。(Amazon)

 

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読書の町宣言!フラナリー・オコナー全短編

久々の読書関係の更新です(読書の町宣言をしている大子町、手本は大人からということで読んだ本をアップしています)。

今回読み終えたのはアメリカの作家フラナリー・オコナーの全短編集の上巻です。さわやかな読後感とは無縁、一編読むごとにやりきれなさがずっしりと胸にこたえ、あとあとまで引きずります。

内容(「BOOK」データベースより)

フラナリー・オコナーは難病に苦しみながらも39歳で亡くなるまで精力的に書き続けた。その残酷なまでの筆力と冷徹な観察眼は、人間の奥底にある醜さと希望を描き出す。キリスト教精神を下敷きに簡潔な文体で書かれたその作品は、鮮烈なイメージとユーモアのまじった独特の世界を作る。個人全訳による全短篇。上巻は短篇集『善人はなかなかいない』と初期作品を収録。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

オコナー,フラナリー
1925‐1964。アメリカの作家。アメリカ南部ジョージア州で育つ。O・ヘンリー賞を4回受賞し、短篇の名手として知られる 

横山/貞子
1931年生まれ。京都精華大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

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